2024/03/03 23:31

そろそろ暖かくなるかなと思いきや、また寒さがぶり返してきました。

三寒四温が続き、徐々に春が近づいてきているなぁと季節の移ろいを感じています。


今日は日曜日でしたが草刈りをしました。

草刈りと言っても、畑の中の草刈り(草取り)もあれば、畑の周りの草刈りもあります。
ですが、今回はそのどちらでもなく山の上の 堤土手 の草刈りでした。

「堤」とは、いわゆる「ため池」の事です。
生活用水ではなく、農業用の水をためる場所です。

須山農園のある谷には大きな川がないので、山の上に堤をつくり水をためて必要な時に田んぼなどに水を入れます。
その田んぼ(畑)のための堤の土手管理が、本日のお仕事でした。



水を得るための普段見えてこない地道な努力

今回の草刈りは、須山農園だけの事では無く、この堤の水を使う水利組合のメンバー全員の仕事です。

本日は7人でしたが、そのうち過半数は70代のおじいさんでした。
数年前ならプラス4人くらいはいたのですが(大体年配の方々)、また一人また一人と様々な理由で欠席されたりもします。

農業をしていない人からすると、畑に種を蒔けばその後水やりをして、管理作業をしていたら大きくなって大きくなったら収穫して終わりのように見えますが、その水をやる事さえも水利環境を整える必要があります。

山間の集落であればなおさらこういう仕事は多くなります。

私がこの草刈りに参加し始めたのは、就農前の義父が入院して以降なので、6~7年はやって来たことになります。
当時バリバリでやっていた60代も、今ではもう70代です。

節々が痛そうで、かなりしんどそうです。
そりゃそうだよなぁ。一般的に70代の人が急斜面で草刈り機をブンブン振り回しながら、草取りをしているなんてすごい光景です。

田舎では当たり前な光景ですが、全く当たり前ではなくすごい事だなぁと思うのです。

水利の維持と田畑の維持

年々歳はとるけれども、水利の維持管理は減るどころか増えていきます。
経年劣化で水が漏れることもあれば、土砂や山林が水路を阻み水が取れなくなることもあります。

なので、管理は年々増えていくこともあるのです。

田畑を耕せば、耕作放棄地が何とかなるわけでもなく、継続的な利用を考えると水利環境の維持管理も大切な仕事になってきます。

田畑はまだトラクターで耕したりすれば何とかなりますが、草刈りは機械化しにくく、急斜面や歩くところが狭い所なども多いので人の手間がたくさんかかります。

そこに「年齢」という抗えない壁もあり、農業が次世代、しいては若者への期待になっているのです。
根本的な体力がいるからです。
中山間地で田畑を維持管理していくという事は、そういう事なのです。


年間数回の維持管理と言えど、暑さ寒さの中、体をめいいっぱい動かしていくことは並大抵のことではありません。

地域で農業を残していくという事、次世代に繋ぐという事が
何を指していて、それを実現するためには何が必要なのかを今めいいっぱい議論しあい、解決案を出していかないといけないなと思うのでした。

野菜を育てることだけが農業じゃない
地域全体を見回り、管理していくことも含んだ農業が、今の私たち若者に課せられているのだなと思うと同時に

何とかこの状況を打開して、持続可能な状態に変えていきたいなぁと思うのでした。



こちらはトマト育苗の様子

発芽ぞろいはOKです。ここにやってくるまで、たくさんの失敗をしてきましたが、こういう姿を見ると救われた気持ちになります。
この季節の温度変化は育苗にとってはとても難しいのですが、今年もいろんな野菜たちを育てられるように頑張ります。


まだドライフルーツの注文を受け付けております。
まだ食べたことが無い方はぜひ食べてみてください。