2024/12/02 07:27
いつもご覧いただきありがとうございます。
須山農園のひろきです。
今日は、須山家にだいだい伝わる、いにしえの!、伝説の!、近所でもほとんどされていない行事?神事?について書こうと思います。
タイトルにもありますように『膝塗りさん(ひざぬりさん)』についてです。
師走の川で転ばぬように
まず、『膝塗りさん』について簡単に説明すると、膝にあんこを塗りながら「師走の川で転ばぬように」と唱える行事です。
そして今回、やっとゆえんというか、発祥の経緯を発見することができました!(今まで誰もその意味合いを知らずに受け継いできた恐るべき伝統!!)
それも含めて今日は書いていきます。
《膝にあんこを塗る様子。素足じゃなくてもええのんか。》
まずは前日11/30からあんこをつくっていきます。義母は小豆からあんこをつくるのでかなり手間暇をかけています。
ストーブの熱を有効活用できて嬉しい一面もあるそうです。
確かに、冬はストーブの熱絶対でるし、使わない手はないな。よし、今度ストーブ料理を考えてみよう。
《こんな感じ》
次の日
朝からあんこでぼたもち(おはぎ)作り。
丁寧に作られた手作りあんこは格別の美味しさです。
《アイスのくりぬくやつでもち米側を作ってる!これだと大体同じ大きさになるなぁ》
《完成!!美味しそう!!》
そして、「師走の川で転ばぬように」と唱えながら膝に塗ります。
《ちほさん、素足だとほっとくとかピカぴになるけど、、って言ってたけどほっとくの!?》
これで「膝塗りさん」はおしまい。
ここまでの一連の流れを、義母は結婚してから(私たち世代からした)ひいおばあちゃんにあたる人から教えてもらって今日まで続けてきたわけです。
私が須山家にきてからももちろん毎年恒例なんですが、なんで膝にぬるのか?なんであんこなのか?なんで12月なのか?隣の家もやってるのか?これは大庭だけなのか?聞けども誰も知らない!そして近所で聞く限りでも今も続けているのは、たぶん須山家だけなんだよねぇw
なんかそういうもんだからで今まで続いてきていて、恐るべし文化というか慣習というか、母上の面白がり力というか
義母曰く、「ぼたもちが好きだから」と言ってたけど、ぼたもち好きだからだけでは、ひざぬりさんは残らなかったよなぁなんて思いながら、美味しくぼたもちを食べました。
ちなみに、95歳のおばあちゃんもいますが、ひいおばあちゃんから義母への直伝の行事らしく、おばあちゃんは『膝塗りさん』をあまり知らない。おばあちゃんの里でもやっておらず「なぜやるか?」も分からないらしい。
おばあちゃんはあんこにそこまで興味がなかったみたい。
遂に、由来を発見!!
まぁ、今まで近所に聞いても、ネットで検索してもなかなか出てこなかったんですが、ついに発見しました!
そのサイトがこちら
そのサイトがこちら
なんとお隣の米子市のホームページに掲載しているではありませんか!!
(引用)「これは正月を前にして、水の神を祭る行事であったと考えられています。水は昔から日常の飲み水に始まって、稲を育てる田の水、体や心の汚れまでも流し清めてくれるものとして、人々は水の恩恵を受け続けてきています。1年の終わるときに、感謝を込めて水の神祭りをしたのでしょう。」
なるほど!そういうところから始まったのかと少し腑に落ちた気もするけど、これって全国的にやってたのか?とか、山陰限定でやってたのか?なんで須山家もやってるのか?なんであんこなの?昔はそのまま膝につけて過ごしていたの?とか気になる事もあふれてきます。
ぼたもち自体は、「神様やご先祖様への感謝の気持ちや、魔除け、豊穣、繁栄などの意味」があるらしいので、膝に塗る事で魔除けや恩恵をうけよう、という事だとは思うのですが。
この『膝塗りさん』が残ったのは義母が繋いでくれているからにほかならないんですが、須山家にはそういう神事とかが連綿と受け継がれています。
こういう須山家の一面が私の中では良い刺激になっていて、「次世代に繋ぐ」とは何か?を日々考えるきっかけにもなります。
由来はどうであれ『師走の川で転ばぬように』という1年最後まで気を抜かずにがんばろうという想いと、『ぼたもち』という美味しさ・わくわくが、時代をつないだんだなと思いました。
『膝塗りさん』のルーツはこれから ぼちぼち 探索していきたいと思います。